立て!鏡のような波頭の上に 43話 晩夏/今から早朝サーフィンに行くぞ!
江ノ島海岸は、湯河原の静かな浜に比べて都会的な華やかさを帯びていた。海岸通りに立ち並ぶ、ラスベガスのホテルのようにポップな、そして色とりどりの電飾のラブホテル群を通り抜けて、海辺に出た。海岸では、何組かの大学生のようなグループがきゃっ、きゃと奇声をあげながら、あちらこちらで花火を打ち上げていた。突発的に上がる打上花火が、不意をつかれたサプライズのプレゼントのようで奇麗だった。あと数日で九月になる。取り壊され始めた海の家も数軒あった。まだ残っている海の家には灯りが点り、中では人々がお酒を飲んでいた。皆、最後の夏の余韻を惜しんでいるかのようだった。裕士とルカは、何も言わずに手を繋いで、猫の額ほどの江ノ島海岸を一回り歩いた。力無い波の音は穏やかで、何も干渉しない距離感を保っているように優しかった。海辺を見下ろすコンクリートの階段には、二つの黒い影が等間隔で、まるで一休みする鳩の群れのように並んでいた。あそこに座ろうか、と裕士は促し、影の途切れた壁際の階段に二人は腰を下ろした。
**************【次回へ続く】*********************
注:この小説はフィクション(嘘)です。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。
忙しい5月が終わった!日も長くなった!今日からやっとサーフィン再開だ!!私は、波情報はここで確認しています。私の小説の舞台となっている湯河原吉浜のライブカメラはこちら。(湯河原町提供)


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